今回は、ストレスにより収縮してしまった血管を拡張する「髪の毛」のためのストレス発散方法のコツを紹介します。
精神的にスッキリしただけで終わるストレス発散ではなく、体をリラックスモードに切り替える「正しいストレス発散」を知って、日々のストレスによる薄毛・抜け毛改善のリスクを軽減していきましょう。
髪の毛とストレス、血行の関係については前回の記事で紹介しているので、そちらをご参考下さい。
髪のために。血管拡張を目的としたストレス発散方法のポイント
ストレスにより体が緊急モード(交感神経優位)になっているとき、血管は収縮し血圧は上昇してしまいます。血管収縮は、育毛にとっての大敵。しっかりとリラックスモード(副交感神経優位)に切り替えて、ストレスにより収縮した血管をもとに戻してあげることが大切です。
今回は、意識的にストレスを発散し、体をリラックスさせる方法をいくつかピックアップします。
リラックスタイムを作る │ 楽しめる趣味を見つける │ 気持が落ち着く時間を確保する │ スポーツをする │
それぞれコツや、注意してほしい点があるので、下記で詳しく説明していきます。
①ストレスを受けたあとに、意識してリラックスタイムをつくる。
はじめやすさ:★★★
効果:★
対象:感情の起伏が激しい人。日常でのストレスが多い人。他、誰にでもお勧め。
ストレスを受けたあとに、いつまでもイライラやくよくよを引きずっていると、心にストレスが残るため「緊急モード」の解除が遅れてしまいます。
怒りや不安、焦りを心にかかえていても、問題は解決しません。気持ちはスッパリと切り替え、体から不安や怒りを取り除くようにしましょう。
どうしても頭から考え事が離れない、緊張がほぐれない場合は、深呼吸しながらのストレッチが有効です。
深呼吸ストレッチの例
目を閉じて深くゆっくりと息を吸い込み、背伸びの姿勢で手を高く伸ばします。動作はゆっくりと、息を吸い込みながら行います。背筋と指先をピンと伸ばしたら、息を吐きながらゆっくりと手を下します。(ラジオ体操第一の、一番最初の動きです。)
この時大切なのは、何も考えずに体の動きと深い呼吸のリズムだけに集中すること。数回繰り返すと、気持が落ち着き体がリラックスするはずです。
心と体には密接なつながりがあります。精神的に受けたストレスにより、体が硬くなってしまう現象を逆手にとって、体をほぐすことで心のストレスを発散させることが狙いです。
誰でもすぐに開始できる簡単なストレス発散方法ですので、日々の生活に是非取り入れてみて下さい。
これはストレス発散だけでなく、怒りっぽい人や、あがり症の人が気持ちを落ち着けるときにも有効です。
② 楽しめる趣味を見つけ、それに集中する。
はじめやすさ:★★☆
効果:★
対象:生活にやりがいがない。退屈を感じている。変化がない。
ストレス発散には、夢中になれる趣味を見つけたほうがいい。と聞いたことはありませんか?確かに楽しめる趣味というのは、ストレス発散に効果的です。
ストレスには「良いストレス」と「悪いストレス」があります。悪いストレスとは、他人に対して感じる望まぬ焦り・怒り・悲しみ・忍耐・多忙・我慢の気持ちなど。良いストレスとは「自分が楽しみながら感じるストレス」です。
例えば趣味を極めたり、夢中で取り組んだり、新しいことをはじめることも、脳はストレスと感じます。ですが、自分が楽しみながら感じるストレスは、意欲や気持ちを向上させ、エネルギーを生み出します。体は温まり、脳が活発化し、集中力が高まります。
ですので「楽しんで、前向きな気持ちで取り組める趣味」は、良いストレスをもたらします。
こういった「良いストレス」は、達成感ややりがいを伴うので、脳に満足感が生まれます。この「満足感・達成感」はとても大切です。「満足感」を感じた脳は自然とリラックスモードに移り、ストレスによりうけた影響を上手に修復していきます。
しかし「趣味でストレス発散」といっても、髪のための血行促進にあまり向いていないものがあります。
それは、インターネットやゲーム、読書、DVD鑑賞といった「眼球」を酷使するタイプの趣味。「目の疲れ」は、それ自体が頭皮・首・肩コリの原因になってしまいます。
体がこる、目が疲れるタイプの趣味は、精神的にストレスが解消されたつもりでも、体や頭皮の血行不良を引き起こしてしまうので、「髪のためのストレス発散方法」としてはお勧めできません。(関連:眼精疲労と髪の関係)
出来れば、普段の生活で使っていない部分を活用できる趣味がいいでしょう。オフィスワーク系の仕事なら、体を動かす趣味。人とのふれあいが少ない生活なら、大人数で楽しめる趣味。注意力や集中力を求められる仕事をしているなら、脳がリラックスできる趣味などがお勧めです。
③ スポーツ・運動でストレス発散
はじめやすさ:★☆☆
効果:★★★★
対象:誰にでもお勧め。
運動する習慣がない人にとって、生活に運動習慣を取り入れるのはなかなか大変なことです。しかし、運動によるストレス発散方法はもっとも効率的で、髪にとってプラスの効果がもっとも大きく、さらに健康に良いというメリットまであります。
②の項目で「良いストレス」について説明しましたが、自分の意思でおこなう運動は「良いストレス」として体に影響します。また、運動をはじめると自然と目標が生まれます。そして運動後には必ず、肉体的+精神的な達成間を感じることが出来ます。
また、運動によって「良いストレス」に慣れておくと、普段の生活でうける「悪いストレス」に対しての免疫力が向上します。その理由として、運動にはストレスホルモンの分泌そのものを抑える効果があるからです。良い意味で「ストレスに鈍感になる」ことが出来ます。
「スポーツマンはくよくよ悩まない」というイメージがありますが、これは迷信とは言い切れません。彼らはストレスに対する抵抗力が強いばかりか、毎日の運動により繰り返し達成感と満足感を味わっています。
また、髪のためを考えるのであれば、運動がもたらす血行改善効果は見逃せません。
運動を継続することで体は「運動に負けない体」を作ろうとします。成長ホルモンが分泌され、血のめぐりが良くなり、体の隅々に栄養を届ける機能が強化されていきます。
これは全身におこる変化なので、頭皮の血行も改善され、摂取した栄養を効率的に髪に届けることが出来るようになります。
体力に自信のある人なら、ジョギング・ランニング・水泳など。体力的に不安な人は、ウォーキングやスロージョギングからはじめて、徐々に運動を習慣にし、ストレスに対抗する強い心と体を育てていきましょう。趣味が運動になってしまえば、それは最高のストレス発散方法になります。
④ 気持ちが落ち着く時間を確保する。
はじめやすさ:★★★
効果:★★
対象:時間がない人。趣味が見つからない人。他、誰にでもお勧め。
日々の生活に追われ、疲労とストレスを翌日に持ち越していては、体と心の疲れがとれません。
夢中になれる趣味が見つからない。どうしても運動する気がおきない。そういった人は、1日のうちに決まった時間、心を落ち着けてリラックスする時間を作ってみましょう。
何も思いつかないという人のために、誰でも簡単に始められる+髪に効果的なリラックスタイムの作り方を紹介します。
これは、深呼吸+ストレッチを寝る前に行うという方法です。高ぶった気持ちのままで眠るより、体を充分にほぐしてから眠ると、よりリラックスした上質の眠りへ入りやすくなります。髪は寝ている間に育ちます。ぐっすりと眠り、その日のストレスをリセットしてしまいましょう。
■寝る前ストレッチのやり方。
体が興奮しないようにゆっくりとした動作で、大きく深呼吸しながらストレッチをします。座りながらの姿勢で、首まわし、肩回し、前屈など。硬くなっている筋肉を、反動をつけずにじっくりと伸ばしましょう。1つの動作を、ゆっくりすぎるかな?と思うくらいの時間をかけて、深く息を吸って+吐いてを繰り返しながら行います。
体がほぐれてきたら横になり、そのまま背伸びや膝上げ(片ひざ曲げ、両手で抱えるようにお腹におしつける)を行います。深い呼吸を繰り返していると、だんだんと眠くなってくるので、最後はそのまま寝てしまいます。
トータルで10~20分程度行うと良いでしょう。もちろん、体の硬さが気になる部分のストレッチを加えてもOKです。ただし、ゆっくり+深呼吸を忘れずに。
これは髪のために非常に良いリラックス方法です。入浴には肉体疲労を軽減する効果もあり、さらに全身の血行促進にもつながるので、リラックス効果だけではなく血行改善にも役立ちます。
男性は女性に比べ、長風呂をしない人が多いと思います。しかし、髪や健康のためには、ゆっくりお風呂にはいるのはとても効果的です。薄毛や抜け毛を気にしている男性なら、取り入れたほうが良い習慣でしょう。
■血行促進!お風呂でリラックス方法。
お風呂に入ったらまずシャンプーで頭皮マッサージを行い、頭皮の血行促進。頭のコリをほぐすつもりでグイグイとマッサージします。(男性向けの詳しいシャンプー方法については、こちらで解説しています。)
そのあとはゆっくりと湯船につかり、体全体のコリをほぐします。湯船の中で、肩や首を揉んでマッサージするとより良いでしょう。
最近は、防水の音楽プレーヤーやお風呂用DVD+ワンセグテレビの値段が随分と下がりました。お風呂は工夫次第で最高のリラックスタイム+スカルプケアタイムに変わります。
ただし、映画やDVDを持ち込む場合はあまり難しい内容のものを選ばないこと。防水用のモニタは画面が小さいので、真剣にみると目が疲れてしまいます。目的は心と体のストレス軽減なので、あくまでもリラックしながら楽しめる内容のものにしましょう。
お風呂から上がったあとは、体が温かいうちに寝てしまいましょう。寝る前ストレッチをプラスしても効果的です。
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