髪や肌、健康に良くない事は分かっていても、なかなか止められないタバコの喫煙習慣。
肺に悪い、ニコチン依存等の影響は当然ですが、髪や頭皮、肌にはどんな影響があるのでしょうか?
今回は実際に喫煙が髪と頭皮にどう影響するのか?また、禁煙はハゲ予防にどの程度有効か?など「タバコと髪や頭皮」の関係に注目して検証してみます。
煙草によるビタミン消費・血管収縮・肝機能低下の他に、男性は特に注意したい喫煙とAGA(ジヒドロテストステロン/DHT)の関係についても紹介します。
タバコが髪に与える悪い影響
こんな人は要注意。これらは、大量の喫煙や長期的な喫煙による症状かもしれません。
まずはタバコが髪や頭皮に及ぼす代表的な害をまとめてみます。
■タバコが髪や体に与える悪影響
・喫煙により、髪に必要な栄養素が大量に消費される。
・ニコチンにより血管が収縮。
・喫煙による肝臓への負担。
・男性の場合、男性ホルモンによるハゲにも関与。
それでは、それぞれが髪にどう影響するのか?もう少し詳しく説明していきます。
タバコは髪に重要なビタミンBやビタミンEも消費
煙草が髪や肌に及ぼす悪影響として、真っ先に心配なのがビタミン類の大量消費。煙草を1本吸うたびにビタミン類が消費されていきます。
タバコがビタミンCを大量に消費(タバコ1本で約25mg消費。1箱で500mgも消費!)してしまうのは有名な話ですが、実はビタミンCだけではなく、ビタミンB群やビタミンEまで消費されます。
ビタミンCももちろん大切ですが、ビタミンB群、ビタミンEは健康な髪の育成に特に大切な栄養素。
髪や体の肌のために食事に気をつけていても、サプリメントでビタミンを補給しても、喫煙していると結果はプラスマイナスゼロに近い事があります。(個人差はあります。)
元から喫煙していない人がサプリを飲むとプラスの効果が出やすいですが、大量の喫煙をしている場合は、タバコによる栄養不足を補うのがやっと、というケースが多いのではないでしょうか。
髪や健康の為に栄養を摂るのか?タバコを吸う為に栄養を摂っているのか?分からなくなってしまいます。
ニコチンによる血管収縮で髪に栄養が届かない?!
薄毛を気にする人なら「血行促進・血管拡張」が髪と頭皮にどれほど重要か知っているはず。
育毛剤や育毛サプリメントの中にも、血行促進・血管拡張を目的とする商品が多数あります。また、AGA治療に有効とされるミノキシジルも、血管拡張作用により発毛効果を発揮します。
しかしニコチンはその真逆の効果、つまり血管を細くしてしまう作用があります。
■ニコチンが血管・血行に及ぼす影響
・血管収縮の作用。血管が細くなり、栄養を運ぶ効率が低下。
・動脈硬化(血流が遮断され、必要な栄養が運べなくなる症状)の危険。
血管が細くなるという事は、頭皮や髪に栄養を運ぶルート(血管)が細くなるという事。
さらに症状が進み動脈硬化になると、血流が遮断され重要な臓器に酸素や栄養を運ぶ事すら障害が出てきます。
髪に栄養を届けるルートを確保する、つまり「血行促進・血管拡張」は正しい育毛やハゲ予防にとって必要不可欠な要素。
喫煙は育毛の要である「血行促進・血管拡張」に真逆の作用をもたらす事になります。
タバコは肝臓に負担大=髪に必要な栄養代謝も低下
肝機能向上は、育毛にとって血行促進と並ぶ重要な要素。喫煙は、その肝臓にとっても大きな負担を与えます。
■肝臓の役割
・摂取した栄養素を体が活用できる形に変換・合成。
・有害物質の解毒
タバコの煙に含まれるニコチンやタール等の有害物質は肝臓で解毒されるため、それだけで肝臓に負担を与えます。
また、煙草に含まれるアセトアルデヒドが大問題。アセトアルデヒドは肝臓に対する毒性が強い物質。大量の喫煙では肝臓でのアセトアルデヒド分解が追いつかず、肝硬変を引き起こす可能性もあります。
ここで注意したいのが、髪に必要な栄養素も肝臓を通して変換されるという点。
煙草を吸っている間は、肝臓はつねに解毒作業を強いられます。さらに喫煙習慣の負担が積み重なり、ゆくゆくは肝機能の低下につながります。
肝機能の低下は、必要な栄養素の代謝低下を意味します。サプリや食事で髪に必要な栄養を摂取しても、肝臓を通して体が活用できる形にならなければ効率が上がりません。
体や髪に良質な栄養を運ぶためには、健康な肝臓が必要なのです。
煙草はAGAを促進?男性ホルモンによるハゲの関係
薄毛・ハゲに悩む男性なら、もっとも気になるのがAGA(男性型脱毛症)。
AGAの根本原因は強力な脱毛ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)にあります。(詳細はAGA発症システム)
ジヒドロテストステロン(DHT)により脱毛スイッチが入った毛根は、髪への栄養供給をストップ。髪は育たず、本来の寿命より早く抜け落ちてしまいます。
煙草とAGAは無関係と思われていましたが近年、意外な研究結果が報告されています。
■ハーバード大学公衆衛生学部の調査(対象:1,241人)
調査:非喫煙者と喫煙者のホルモン量を比較
結果:喫煙者はジヒドロテストステロン(DHT)の値が13%高かった。
つまり、タバコを吸う人は吸わない人よりジヒドロテストステロン(DHT)の増加傾向が高いという事です。
「ジヒドロテストステロン(DHT)の増加=脱毛の増加」です。
男性の場合、栄養面や肝機能だけではなく、喫煙によるAGA発症のリスク増加にも注意が必要という事です。
煙草代と育毛費用の関係
髪への影響だけではなく、煙草の値上げにより、喫煙習慣は金銭的にも負担が大きいです。
1日1箱吸ったとして、月に13,640円の出費。
さらに喫煙を続ける限り、栄養面・血流・肝機能低下の観点から、サプリメントや育毛剤の効果は減少すると考えられます。
これは煙草のマイナス面をサプリメント等で補っている状態です。
これではタバコ代だけでなく、サプリメントや育毛剤の費用も無駄な出費に感じられませんか?
煙草をやめた場合、サプリメントや育毛剤は今までより効果的に髪に働くはずです。
さらに一月分のタバコ代だけで、かなり高機能なサプリメントやシャンプー・育毛剤が買えるはずです。
禁煙することで育毛にマイナスな要素を排除。さらに浮いたお金を育毛費用に回せるのは、とても有意義な育毛方と言えるのではないでしょうか。
髪の為に禁煙するか迷ったら。
正しい育毛の王道は、髪に栄養+血行促進+肝機能向上+AGA対策(男性の場合)です。
煙草は、この全ての要素で髪に悪影響という事が分かりました。
もし既に禁煙を検討しているなら、今すぐに始める事をお勧めします。
しかし、どうしても煙草を止めれない人や、極端な愛煙家の方々。
体質により煙草の影響を感じづらい人もいますが、歳とともに煙草の影響は確実に表れます。
煙草とお別れするのは辛く寂しく忍耐力が必要であり、煙草が好きなうちはなかなか止められません。
そんな時は「禁煙は髪を守るために必要」「煙草はとにかく髪に悪い・・・」「禁煙よりもAGAが嫌だ」と考えて、一度煙草と距離をとってみて下さい。
髪の毛より煙草が大切な場合は効果が薄いですが、髪を大切に思っている場合はとても効果があります。
髪への愛着は一生ですが、煙草への執着は禁煙に成功すれば薄れていくものです。
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